
今回は、糖質制限の実践法の最初の記事として「糖質制限食」について解説します。
『日経メディカルオンライン』(2014年6月)が行った医師(2263人) へのアンケート調査で、およそ6割が糖質制限食を支持しており、3人に1人は自らも実践中ということが明らかになったそうです。
以前は”異端”とされてきた糖質制限食ですが、実践してきた人の効果が認められて、ようやく市民権を得てきたようです。
もっとも、ひと口に糖質制限食といってもいろいろな流派があり「やり方」もさまざまです。
そこで、ここでは、糖質制限食の第一人者として著名な京都の高雄病院の理事長である江部康二先生が提案する糖質制限食と3つの制限パターンについてご紹介します。
目次
糖質制限食を江部先生の動画で確認
まず、最初に動画で、江部先生が語る糖質制限食を見てみましょう。
動画の要約
- 江部先生による糖質制限とは「糖質さへ控えればどれだけ食べてもよい」というダイエット法
- 糖質とは甘いものだけではない
- 糖質制限で食べてよいものとはなにか
- 糖質制限でなぜ痩せるか:インスリンが肥満ホルモンと呼ばれる理由 について
- 糖質制限のメリット: 1. 好きなだけ食べられる 2.すぐに効果が出る
- 糖質制限のやり方: 3つの糖質制限パターンがある
- ファミリーレストランでプチ制限食を実践した具体例
糖質制限食の3つの制限パターンとは?
江部先生の提唱する糖質制限食の3つの制限パターンは上図のとおりです。
次に、各制限パターン毎に、
- 特徴(どんなパターンか?)、
- 1日当たり糖質摂取量、
- どんな人に向くか、
- 実践上のポイント
をあげ説明します。
1.スーパー制限
どんなパターン?
1日3食、主食を抜くパターン
朝・昼・晩すべての食事でご飯やパンなどの主食を食べずに糖質制限する。
1日当たり糖質摂取量は?
1食当たり糖質10~20g以下、1日当たり糖質30~60gが目安です。
どんな人に向く?
糖尿病の人(糖尿人)など
実践上のポイントは?
糖質をとらなければ血糖値は上がらず、インスリンの追加分泌も起こりませんから、
糖尿人への治療効果も健常人のダイエット効果も極めて高いです。
でも、これまで1日3食欠かさずど飯やパンなどを食べてきた人には、
続けるのが難しいので挫折する恐れもあります。
スーパ糖質制限食の実践でよくある失敗事例は
3食とも主食を抜くことで、1日に摂取する総エネルギーが不足してしまうパターンです。
参考記事: カロリーも制限する糖質制限は間違い!正しい糖質制限の実践法とは?
間違った糖質制限の典型的なものは、「糖質とカロリーの両方を同時に制限してしまう」やり方にあり、
「糖質制限に加えてカロリー制限も同時にやってしまうこと」の弊害について解説しました。
正しい糖質制限とは、糖質を制限しつつたんぱく質と脂質など必要な栄養素を十分摂るもので、摂取する総カロリーを減らすものではありません。
そのため、おかずの種類や量を増やす必要があります。
そこで、いきなりスーパ糖質制限食を実践できない人にすすめているのが、
次のスタンダード糖質制限食です。
2.スタンダード制限
どんなパターン?
夕食は糖質制限をしますが、朝食と昼食はどちらか1食だけ糖質制限。
1日当たり糖質摂取量は?
糖質をとる場合、1食当たり糖質50~60g。
1日当たり糖質70~100gが目安です。
朝食か昼食どちらか1食だけ糖質をとるといってもご飯の大盛りやおかわりは避け、量を控えめにします。
また、玄米や全粒粉パン、そばの実を石臼などで挽いた十割そばなど、
精製度が低くて食物繊維が多く、血糖値げにくい主食を選ぶように心がけるとなお良いでしょう。
どんな人に向く?
会社勤めで昼食は外食が多い人など
実践上のポイントは?
ビジネスパーソンの昼食は外食が多いですが、店屋物は糖質制限を比較的しにくいので、よりコントロールしやすい朝食と夕食で糖質制限をするといいでしょう。
夕食で必ず糖質制限をするのは、夜は食後上昇した血糖値を下げにくいからです。
血糖の大半は筋肉にとり込まれたり、脳で消費されて血糖値を下げていますが、
夕食後は筋肉や脳の活動が少なく、そのまま就寝することが多いので糖質制限をしたほうが無難なのです。
このスタンダード糖質制限食では1日1回は食後高血糖が起こり、インスリンが追加分泌されますが、1日の糖質摂取量が130gを超えないようにすることがポイントです。
それはアメリカ糖尿病学会(ADA)や主要国の専門家が認めている糖質制限食の定義の範囲内で、血糖コントロールの改善やダイエット効果が期待されるからです。
(注:アメリカのリチャード・バーンスタインの定義「糖質制限食は1日の糖質摂取量を130g以下にする」などによる。)
3.プチ制限
どんなパターン?
高雄病院で糖尿人にすすめているのはスーパー糖質制限食とスタンダード糖質制限食のみですが、
健常人のダイエットや健康のためには、プチ糖質制限食も有効です。
1日当たり糖質摂取量は?
1日当たり糖質110~140gが目安。
朝食と昼食は、1食当たり糖質50~60gが目安です。
どんな人に向く?
ダイエット目的で手始めに実践してみたい人など
実践上のポイントは?
プチ糖質制限食はスーパーやスタンダードに比べれば体重減少はゆるやかですが、ハードルが低いので実践しやすい。
スタンダード糖質制限食と同じく、糖質をとるときはご飯の大盛りやおかわりを避け、
精製度の低いもの(ご飯なら玄米、パンなら全粒粉パンなど)を選ぶようにするとより効果的です。
朝の目覚めが良い、体がスッキリするなど、まずはプチで効果を実感することが続くコツです。
糖質制限食のやり方と実践上の注意事項
脂質やたんぱく質はしっかり摂る
以上の特徴を理解したうえで、目的に応じて3つのパターンを使い分けてみてください。
なお、糖質を制限するだけの食事は正しい糖質制限食ではありません。
正しい糖質制限食とは糖質は制限するものの、脂質やたんぱく質など必要な栄養素はむしろしっかり摂る食事です。
上図を見るとわかるように、
糖質制限食はご飯は抜いても、おかずにボリュームがあり、
カロリー制限食に比べ、満足度を高めることができるのです。
主食以外に含まれる糖質量にも注意
これまで、糖質量の多い主食を抜くことに注目してきましたが。主食以外に含まれる糖質にも注意が必要です。
その要点は次のとおりです。
- 主なOK食材は肉類、魚介類、豆腐や納豆、卵やチーズ、海藻類など。
- 野菜は葉野菜やきのこ類を中心に取り入れましょう。
- ただし、れんこんやにんじんなどの根菜類やとうもろこし、かぼちゃなどは糖質が多めなので食べる量に注意します。
- 避けるのは糖質の多い穀類やいも類、砂糖たっぷりの菓子類など。
- 果実類ではアボカドはOKです。
食材ごとに含まれる糖質量は食品別糖質量ハンドブック等で確認すれば良いでしょう。
調味料に含まれる糖質にも注意!
調味料は意外に糖質を含むものがあるので注意する必要があります。
- 塩、こしょう、マヨネーズ、オリーブ油はOK。
- 糖質が多いのはケチャップやソース、みりん。
- しょうゆは刺身じょうゆなど甘いものは避ける。
- みそも白みそを避ければその他は基本的にOK。
料理の際は調味料のパッケージにある成分表をチェックするとよいでしょう。
まとめ
糖質制限食と一言でいっても、摂取する(あるいは制限する)糖質の量によってかなりの幅があるようですね。
江部先生は、それを3つのパターン分けし、実践法を説明されています。
各パターンの特徴等をよく理解して、自分の食事に取り入れ効果につなげることが大切です。
糖尿人であった私は当初、スーパー制限を実践し、短期間で糖尿病と肥満を改善しました。
ただし、私のスーパー制限では全食、主食を抜くのではなく、主食代替食品(こんにゃく麺や大豆麺など)を利用しました。
また、好物の讃岐うどんを食べたい時は、レギュラーパターンに変更し昼食で食べました。
ただし、その際は食後は30分程度のウォーキングで血糖値の上昇を抑えるようにしました。
肥満解消が成功した後は、プチ制限に変更し、朝食では玄米パン半切れ、昼食は焼きそば等普通に糖質を食べています。
いずれの場合も夕食で主食を抜く際、炭水化物を減らすことで食物繊維不足になりがちですが、それを補うために、青汁等の補助食品を用いています。
私が利用中のフルーツ青汁ルキナグリーンについては、こちらの記事で紹介中です。
フルーツ青汁ルキナグリーンを飲むだけでは痩せない!痩せる秘訣は?
また、脂質やたんぱく質はカロリーを気にすることなくたっぷりとっています。
正しい糖質制限食はご飯は抜いても、おかずのボリュームを増やし必要な栄養素をしっかり摂るものですが
その必要な栄養素を、手っ取り早く摂れる補助食品として、私が利用しているのが「ファイバーチキンブロス」です。
こちらの記事で紹介中です。
ファイバーチキンブロスは効果なし?糖質制限の補助食品として最適なのか
追加のおかずを準備できない時に利用しています。
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このように、ちょっとした運動や補助食品を利用して糖質制限食の各パターンを使い分け、ストレスなく継続できています。
糖質制限実践時に併用がおすすめの商品はこちらでも紹介中です。
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ダイエットアドバイザー藤田智久でした。